2018-02

天上の調べは愛を紡ぐ 37

相手の心と体を手に入れるまでの過程を
楽しむことが恋だとしたら、
その苦悩を乗り越えるのが愛ではないだろうか。

榛原はいつでも「行くな」と言えたはずだ。

若い愛で傷つけ合った二人をもう一度切り離すなど、
きっと造作もないことだっただろう。

そうしなかったのは榛原が本当に自分のことを
愛してくれていたから、
それが彼の強さだったからだ。

「僕も彼も……ほんの束の間、過去の幻影を見ていただけです。
榛原さんの言った通り、
それぞれ生きる道がすでにあることは、
お互い最初からわかっていましたから」

――迷った先にこそ見えるもの。
それが何なのか、今ならはっきりとわかる。

体をほどいた和波は、
曇りのない瞳でまっすぐに榛原を見つめた。

「好きです。……冬吾さんを、愛しています」

「君の返事を、私がどれだけ心待ちにしていたと思う?」

榛原の琥珀色の瞳が幸せそうに細くなる。

「今も、そして永遠に、君を愛してる。和波」

眼下に遠く、街の灯が揺れる。

めまいがしそうなほどの幸福感の中、
二人はどちらからともなく誓いの口づけを交わした。

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