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天上の調べは愛を紡ぐ 39
R18です。
大人の方だけ下記、またはタイトルからどうぞ。
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テーマ:自作BL連載小説 - ジャンル:小説・文学

【 2012/10/31 15:57 】

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廃線跡を歩く 4
セイタカアワダチソウと葛のジャングルをかき分け、
(途中、あまりの険しさに並走する農道を歩きました)
石野駅の駅舎が見えた時、心からホッとしました。

お土産にと一枝採取した野ブドウを
小さなエコバッグに入れて持っていたのですが、
実は先ほどのジャングルで襲いかかる植物に
いつの間にか奪われてしまったのです。
(探しに引き返せるような甘っちょろい草むらは、ジャングルとは言いません!)

日本の怪談を思い出します……。
「おいてけぇ~。お~いてけぇぇぇ~~~

野にある物の美しさは、やはり野にあってこそ。
エコバッグという犠牲をもって、私はそれを思い知りました。
(´・ω・`)

前置きが長くなりましたが三木鉄道跡を歩いた記録の続きです。
お付き合いいただける方だけ「続きを読む」またはタイトルからどうぞ。
セイタカアワダチソウの彼方に
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テーマ:日記 - ジャンル:小説・文学

【 2012/10/24 00:32 】

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天上の調べは愛を紡ぐ 38
ナイトスタンドが映し出す柔らかな光と影の中で、
榛原はシャワーを浴びたばかりの和波の体を
上質のリネンの上に横たえた。

欧米人とのハーフだからだろう。
骨太の骨格に見合う筋肉を纏った彼の精悍な体を目の当たりにした時、
和波は三回瞬きをした。

やはり日本人の自分とは作りがずいぶん違う。

「あ、あの……一つだけお聞きしていいですか?」

行為が佳境に突入して我を失ってしまう前に、
一つだけ聞いてみたいことがある。

「?」
「あの時、ロビー演奏で僕に声をかけてくれたのは……
僕の音がお母様に似ていたから、ですか?」

確かにグレース・デュトワには憧れていたが、
恋人として向き合う相手に、母親と自分の演奏を重ね合わせられているとしたら、
さすがに居心地が良くない。

「まさか!」

榛原が一際大きく目を見開いた。

「母はね、楽器の前に立つと女から漢(おとこ)に変わる人だったんだ。
私たち家族が、昔からそれにどれだけ閉口してきたかわかるかい?」
「はあ……」
「だから言っただろう? 母の模倣である必要はないって」

演奏家に限らず、女性の専門家には
異常なまでの集中力を持った人間が時々存在する。

「いくら素晴らしいハーピストになっても、
和波にはあんな激しい性格になってほしくない」

榛原はいたずらっぽく笑ってみせた。

「あの日、弦を見つめる君の目があんまり真摯で綺麗だったものだから、
つい声をかけてしまったんだ」

どうやら榛原は、後でマネージャーに
『奏者に直接交渉するのはマナー違反です』商品に手を出すな!
と釘を刺されてしまったらしい。

「どうやったら君を自分の物にできるか、
あの時から私はそればかり考えてきたんだ。和波」

 <←37>
     <39→>
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【 2012/10/22 21:34 】

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廃線跡を歩く 3
引き続き三木鉄道跡レポです。
お付き合いいただける方だけ下記、またはタイトルからお入りください。

力尽きて
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テーマ:日記 - ジャンル:小説・文学

【 2012/10/20 14:54 】

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天上の調べは愛を紡ぐ 37
相手の心と体を手に入れるまでの過程を
楽しむことが恋だとしたら、
その苦悩を乗り越えるのが愛ではないだろうか。

榛原はいつでも「行くな」と言えたはずだ。

若い愛で傷つけ合った二人をもう一度切り離すなど、
きっと造作もないことだっただろう。

そうしなかったのは榛原が本当に自分のことを
愛してくれていたから、
それが彼の強さだったからだ。

「僕も彼も……ほんの束の間、過去の幻影を見ていただけです。
榛原さんの言った通り、
それぞれ生きる道がすでにあることは、
お互い最初からわかっていましたから」

――迷った先にこそ見えるもの。
それが何なのか、今ならはっきりとわかる。

体をほどいた和波は、
曇りのない瞳でまっすぐに榛原を見つめた。

「好きです。……冬吾さんを、愛しています」

「君の返事を、私がどれだけ心待ちにしていたと思う?」

榛原の琥珀色の瞳が幸せそうに細くなる。

「今も、そして永遠に、君を愛してる。和波」

眼下に遠く、街の灯が揺れる。

めまいがしそうなほどの幸福感の中、
二人はどちらからともなく誓いの口づけを交わした。

 <←36>
     <38→>
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【 2012/10/19 00:48 】

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廃線跡を歩く 2
「足こぎのトロッコに乗りませんか?」
出発点の三木鉄道記念公園で年配の案内係さんに
そう声をかけられました。

三木鉄道が保有していたたった3台の車両は
残念ながら既に売却されて1台も残っていません。

そのことについて尋ねてみると、年配の案内係さんは
3台の列車たちが現在も他社で現役であることを
愛おしそうに教えてくれました。

新型車両の導入時に車庫を建て増しした昔話なども
丁寧に教えてくださった時、私の胸にある疑問が浮かびました。

「もしかして当時のスタッフさんですか?」
「いいえ。私はただの案内係ですよ」

それ以上彼になにも尋ねられなくなった私は
「今日は歩かせてください」
と挨拶して、記念公園を後にしました。


引き続き三木鉄道跡のレポです。
お付き合いいただける方だけ
「続きを読む」またはタイトルからお入りください。

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【 2012/10/17 14:37 】

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廃線跡を歩く 1
2008年に廃線された三木鉄道三木線の軌道を
P.N.柿本さんと一緒に歩きました。

廃線から4年半の時の流れの中、6キロあまりの細長い砂利道は
草木に浸食されながら自然に帰ろうとしていました。

初めて訪れる地に過去の姿を想いながらの小さな歩き旅です。

写真も多いので折り畳みます。
お付き合いいただける方だけ「続きを読む」からお入りください……。

別所駅2
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【 2012/10/16 00:08 】

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天上の調べは愛を紡ぐ 36
「かずは……」

榛原が驚いたようにこちらを振り返る。
椅子からゆっくりと立ち上がる彼に和波は駆け寄った。

自分からこの胸に飛びこみ、
抱きとめてもらう時をどれほど夢見ただろう。

ただしっかりと抱き締めてくれる榛原の温もりを、
和波は目を閉じ、全身で感じていた。

「良かった。もしも君が来なかったら……
私はここで一晩中この曲を弾いていたかもしれない」

「どうして、ですか?」

「今夜の柘植君の演奏を聴かされた時には、
正直和波を持っていかれるかもしれないと思った。
もうここには来てくれないんじゃないかって思ってたんだ」

「それくらい素晴らしいコンサートだった」と苦笑する榛原を、
和波は信じられない思いで見上げる。

「アンコール。原曲は永遠の愛を誓う歌詞で
ラストが締めくくられているだろう?」

「知って、いたんですか……」

榛原は、柘植がアンコールにと選んだあの曲が、
実は北欧の作曲家が恋人に贈った愛の歌だと
いうことを知っていたのだ。

――今も、そして永遠に、あなたを愛します。

誓いの言葉は歌の中で純粋に二度繰り返される。
その誓いどおり、作曲家は生涯をかけて彼女を愛し、
妻と故郷のために曲を作り続けた。

「本当はあの場で平常心を保っているだけで精一杯だった」

息ができなくなってしまいそうなほど
体が強く抱きしめられていく。
表情は見えないが、榛原の声はどこか苦しげだった。おKはん

「彼は若い頃の私によく似ているよ。傲慢で自分本位で、
そのくせ人一倍愛されたいと願うだけの寂しがりだ」

「あなたが?」

「昔の私はね、相手への愛と自己愛の境界線もわからずに、
ただ全力で愛しては大切な人を傷つるような
愚かな男だった」

自分の心を理解してほしい。自分と同じだけ――
いや、それ以上に愛されたいと貪欲に望み、
急ぐ恋はもろいものだ。

どちらかの我慢が飽和状態になった時、
それはあっけなく崩壊していく。
たくさんの涙と深い傷を、互いの心に残して……。

「だから柘植君の気持ちは痛いほどわかっていた。
そしてそれに思いまどう和波の心も」

「榛原さん……」

「私はもう二度と大切な人を――、
和波を失いたくなかったんだ」

 <←35>
     <37→>
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【 2012/10/15 17:23 】

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天上の調べは愛を紡ぐ 35
楽屋に届けられていた榛原からの花束には
メッセージカードが添えられていた。

「搬出が終わるまで、どうして待っていてくれなかったんだろう……」

榛原の携帯電話は留守番メッセージ対応のままだし、
ゆるやかな金線で縁取られたカードには
彼の名前と外資系ホテルの部屋番号が記されているだけだ。

(前半の演奏が原因かな……)

柘植の勢いに飲まれ、演奏のコントロールを失ったことが
榛原を失望させてしまったのだろうか。

わずかな不安を逃がすように、そっと花束を抱きしめる。
控えめなピンクのトルコキキョウたちを包んだセロファンが
カサリと軽い音を立てた。

ホテルの正面玄関でタクシーを降りた和波は
心急くままフロント係にカードを見せた。

「この番号の部屋のお客様で、あの、榛原冬吾さ――」

「白澤様でいらっしゃいますか?
ご案内いたします。どうぞこちらへ」

「あ、え……はい」

案内係と一緒にエレベーターに乗りこむ。

(あと少し、あともう少しで会える)

階数を示すオレンジ色の光を目で追い立てながら
和波は逸る心で花束を抱きしめた。

絵画と舶来の調度品が設えられた豪奢なフロアには
たった一つしか扉がない。スィートルームなのか!
その重厚なドアの前に立った和波は、
室内から聞こえてくるピアノの音に息をのんだ。

――この曲……。

「待ってください」

和波はドアのベルを押そうとした案内係の手を慌てて止めた。

「このまま中に入れていただいてもいいですか?
演奏の邪魔を……したくないんです」

「かしこまりました」

榛原から来客の旨を伝えられていたのだろう。
彼はその願いにすんなりと応じ、静かにドアを開けてくれた。

長身の後ろ姿は、一人静寂の中で
リビングルームに置かれたグランドピアノを弾いていた。

奏でられるその少し陰りあるメロディーは、
先ほどアンコールで演奏したばかりのものだ。

――君を愛す……今も、そして永遠に。

「榛原さん!」

甘い旋律はそこで途切れた。

 <←34>
     <36→>
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【 2012/10/13 00:31 】

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音楽的ドM
イベントで東京を訪れた際、Yomi響の演奏会に行ってきました。
(Yomi響:某新聞社とテレビ局が母体となっているオーケストラ

素敵な演奏でしたが、何と申しますか……
「有名監督と人気脚本家、一流の役者で制作された話題映画なのに
見終った時、心に残るものが少なかった」
そんな感じに似ていました。何ででしょうね?

前回聴いた時にもそんな印象を受けたのですが、
クラシックにしては珍しくスタンディングオベーションを送るお客様もいらしたので、
きっと私がYomi響と磁場が合わないだけかもしれません。

優しい演奏を聴きながら気づきました。
音楽に関して、どうやら私は「ドM」だったようです。

2時間もある演奏会の内、どこか1か所でもいい。

――緊迫するリズムと、えげつないまでの音量
そして水際まで攻め込んでくる怒涛のようなテンポ感に
完膚なきまでに打ちのめされたいっ――


と願っています。

…………。
次はそんなお話が書けたらいいな
ホンマかいな!?
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【 2012/10/11 00:12 】

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天上の調べは愛を紡ぐ 34
「あの頃、好きだと思えば思うほど、
自分にはない才能を持ったお前がうらやましくて、
妬ましくすら思えた。
そして恋人にそんな感情を持つ後ろめたさが、
心にまた新しい苦しみを生んでいくんだ……」

それは幼い頃から天才と呼ばれ続けた柘植が、
他人に対して初めて抱いた愛情とコンプレックスだったのだろう。

彼のそんな苦しみを、あの日の自分は知りもしなかった。

「この歪んだ愛がいつか和波を壊してしまうかもしれない、
そんな自分に耐えられなくなった俺はあの時、
目の前にあったドイツ留学の話にすべてを捨てて飛びついた」

「宣貴……」

「吹っ切るためにドイツで狂ったように弾いて、
ようやく日本に戻ってきたが、
結局俺は何も手に入れることはできなかったな」

柘植は寂しげに微笑んでみせた。

「もしかすると俺は……もう一度和波を愛することで
自分の才能と可能性に挑戦していたのかもしれない」

時間、嗜好、自由、愛――。

彼はバイオリンのために
どれだけ多くの物を犠牲にして生きてきたのだろう。

一人の人間としてではなく、
バイオリニストとして生き抜くことを選んだ柘植が
背負い続けてきた孤独の深さに、和波は改めて思いをはせた。

人生を『気持ち』という単純な選択肢だけで
選ぶことができたならどんなに楽だろう。ええ、本当に

しかし、人がその場で選べる生き方は一つだけ。
選んだ道をどう生きるかでまた違う分岐点が見えてくる。

共に音楽の世界で生きる者同士、いつかきっと柘植にも再会する。
その時には胸を張って、彼と対等に演奏できるハープ奏者でいたい。

「宣貴は……誰よりも素晴らしいバイオリニストだ。
僕はそう思ってる」

柘植はわずかに救われた目を向けた。

「和波にそう言ってもらえるなら嬉しい」

自分あてに届けられたたくさんの花束から一輪の花を手折ると、
柘植はそれを和波のジャケットの胸ポケットにそっと挿した。

「幸せになってほしい。俺の最後のわがままだ」

きびすを返し、楽屋を立ち去る柘植の後ろ姿が涙でにじむ。

「ありがとう……宣貴。さよなら……」

こぼれ落ちた涙が一雫、
薄紫の花びらの上で鮮やかに散っていった。

 <←33>
     <35→>
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【 2012/10/10 00:32 】

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秋のイベントお礼
東京で開催されたCOMIC CITY SPARK 7
及び、J・GARDEN 33に参加しました。

お立ち寄り、またお買い求めくださった皆様に
心からお礼を申し上げます。

前作もお読みくださったという声までお聞きして、
恥ずかしさと嬉しさで死にそうになりました。

心配していた新刊の特殊加工も綺麗に入っていて安心しました。

携わってくださった皆さまにお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました


今回は連日の遠征で疲れと緊張もひとしおでしたが、
なんとか生き返りました。

しかし、連休明けの仕事はゴツイですね。
よっしゃー、気合い入れていくゼ!
とはりきって準備して、今朝、早速失敗しました。

予定していたお客様が時間になってもいらっしゃらない。
オカシイ……。
臨戦態勢ばっちりでカレンダーを見る……。
「ハッ! 来るの来週じゃんか!」

朝一からやらかしてしまいました。


東京ではイベント参加だけでなく、
仲良くなったサークルさんに鉄道ショップに連れて行っていただきました。
さすがに東京の鉄店はお洒落ですね

さらにKO電鉄を視察し、Yomi響の演奏会を聴いて参りましたので
このあたりのバカバカしい妄想話もアップできたらなあと思います。

またぼちぼち頑張ります!
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【 2012/10/09 23:47 】

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